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撮影 |
大山文彦(SHOOTING STAR) |
スタイリスト |
富田育子 |
ヘア・メイク |
小林正二(アトリエフラップ) |
アシスタント |
野下義光(SHOOTING STAR) |
デザイン |
北本裕章(PICASO) |
プロデューサー |
森本義人(メリーゴーランド) |
編集 |
池田清美(ワニブックス) |
ロケーションサービス |
Danny Maruyama |
ロケ地 |
オーストラリア ケアンズ〜ゴールドコースト |
ロケ日程 |
1993/10 (ほぼ快晴) |
井上麻美の第二弾写真集となるこの作品は、オーストラリアの最北部ケアンズから、南東部のサーファーズパラダイスまで、走行距離計3000Kmにも及ぶ、壮大なスケールのロケだった。テーマとしては「自然回帰」。なにもかも捨て、自分を取り戻す。ある程度の露出を決心した彼女の写真集の為に用意したコンセプトだったが、ロケ参加者全員がそのことを感じたに違いない。ケアンズで2台のワゴン車をレンタルして、メンバー8人が分乗、運転出来る男6人で運転を交代して、3000Kmを9日間で走破しながらの過酷な撮影だった。ロケハンも全くゼロで、朝ホテルを出て、撮影場所を探しながらのロケ、陽が落ちて、写真が撮れなくなると同時に、最大500Kmに及ぶ移動が始まる。(東京〜大阪位の距離だ)最終的に日本に帰る飛行機のチケットが取ってあるだけで、何日にどこに行けるという保証など何もなかったので、毎日その日暮らし。空室と書いたモーテルをひたすら探して、夜中に眠りこくるという毎日だった。オーストラリアは国道といえど、街灯などなく、漆黒な闇夜の悪路を120Km位で猛然と飛ばした。回りは何もない原野、自分達しかいない。ラジオも受信出来ない。居眠り防止の為、とにかく喋る。唄う。彼女とはお互いに自分の生い立ち、過去、現在、未来までとにかく全ての事の話をしただろう。勿論全員同じだ。助け合い、励ましあいながら家族にでもなったかの様に、自然な関係になれた。後半の写真はまさに晴れ晴れとした彼女の笑顔が写されている。大胆だけど本当に爽やかな彼女がそこにいる。あの経験はもう二度と出来ないだろうし、一生忘れる事もないだろう。過酷だが、とても贅沢なロケをさせてくれたワニブックスさんに感謝すると共に、8人の大事な宝物として、辛い時はこの写真集を開いてみる事にしたい。 ●撮影メモ :オール35mm。キヤノンFD、一部EOS、RVP、プリント部分フジリアラ ●タイトル候補:アウトバック 自然回帰 |